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キリムラグ一覧

キリムとは キリムとは

キリムは、家畜とともに移動して暮らす遊牧民が、自分たちの生活用具として作った織物です。素材は、彼らの身近にいる羊、ヤギ、ラクダなどの毛が使われています。羊毛にはない白い色を出すために、市場などで手に入るコットンを混ぜることもあります。キリムは縦糸と横糸だけで構成されているため、平らであることが大きな特徴です。キリムはトルコ語で、「平織り(つづれ織り)の技法で織られた、羊、ヤギ、ラクダなどの毛の織物」という意味です。

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キリム並び   

キリムの歴史 キリムの歴史

キリムの歴史は絨毯より古いといわれています。その理由は、平織りのキリムは絨毯のテクニックより単純であるため、より古い起源を持つと考えられるからです。
現在、歴史上いちばん古いとされている絨毯は、紀元前5~6世紀のものです。キリムについては、トルコ・コンヤ地方にある紀元前6000~7000年の遺跡で、キリムのデザインが描かれている壁画が発見されています。
現存するキリムでは16世紀のものが認められていますが、織物で、しかも日常使いされていたキリムは、古い資料などもほとんど残されていません。現在、完品として残っているものは、古くても100~200年前のものです。

キリムの主要産地

キリム生産地

西アジアから中央アジア一帯には、大昔から遊牧の先住部族が暮らしていました。キリムは、この広大な地域を移動しながら生活する人々の生活用具としての織物です。
そのため、キリムの産地は近代以降に人為的に引かれた国境よりも、地域や部族によって、その違いや特徴を見ることができます。配色・文様・織り方・構成は基本的にその部族の特徴が表れています。そのため、キリムはその流通段階では、織り手が所属する部族名を一般に呼称として用いられ、キリムの産地はあくまでもキリムの集散地を表現しています。

キリムの名称が、たとえばトルコにある地域や町の「マラティヤ」「コンヤ」と呼ばれたり、イランとアフガニスタンにわたって住む「トルクメン」「バルーチ」のように部族の名前で呼ばれているのは、キリムの起源と歴史を物語っているからです。大きくは、トルコ(アナトリア)、イラン(ペルシア)、コーカサス、アフガニスタン、中央アジア、北アフリカ(モロッコ)の6つの産地に大別できます。

イランではギリム、アフガニスタンではケリムと呼ばれます。トルコ産のキリムはいち早く欧米に紹介され、世界的評価も高まったため、キリムという名が広まりました。日本でも欧米と同様にキリムと呼んでいます。